バーミンガムの漢字表記「伯明翰」とは?日本語と中国語の違いを解説

借用語

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

イギリス第2の都市バーミンガムは、日本語では「バーミンガム」と表記されますが、中国語では「伯明翰」と漢字で音訳されます。この違いは意味ではなく音を優先する言語の特徴によるものです。本記事では、両言語における都市名の表現方法を比較し、外国人が誤解しやすいポイントを整理します。

バーミンガムとはどのような都市か

バーミンガムはイギリス中部にある大都市で、人口は100万人を超える規模を誇ります。産業革命の中心地として「世界の工場」と呼ばれた歴史を持ち、鉄鋼や機械産業の発展に大きく貢献しました。

現在では教育、金融、文化の拠点としても高い評価を受けています。特にバーミンガム大学は国際的に名高く、多くの留学生が学んでいます。また、音楽や芸術の分野も盛んで、交響楽団や劇場など文化施設が充実しています。

日本語表記では「バーミンガム」とカタカナを用います。これは音を写す方法であり、意味を持たせず、発音を近づけるための表記です。


漢字表記「伯明翰」とは何か

中国語では外国地名を表記する際、意味ではなく音を優先して漢字に置き換えます。バーミンガムの場合は「伯明翰」と書かれ、これは「Birmingham」の発音に基づいた音訳です。

漢字発音(ピンイン)主な意味
年長者、長を意味する
míng明るい、聡明
hàn筆、羽根、文章を表す

ここで使われている漢字には意味がありますが、都市そのものとは無関係です。あくまで発音を写しただけであり、意味を深読みする必要はありません。


日本語と中国語における都市名表記の違い

日本語では外国地名をカタカナで表記するのが一般的です。一方、中国語ではアルファベットを用いないため、漢字を使った音訳を行います。

英語表記中国語表記日本語表記
London伦敦(lúndūn)ロンドン
Paris巴黎(bālí)パリ
New York纽约(niǔyuē)ニューヨーク
Birmingham伯明翰(bómínghàn)バーミンガム

日本語は発音を再現するのに適したカタカナを使い、中国語は漢字を組み合わせて音を表現します。この違いを理解することは言語文化を学ぶ上で重要です。


なぜ外国地名を音訳するのか

中国語が外国地名を音訳する理由は、アルファベットを用いない言語体系にあります。そのため音に近い漢字を選び、組み合わせることで外国語を再現します。

英語名中国語音訳意味の有無
John约翰(Yuēhàn)意味より音を優先
Tokyo东京(Dōngjīng)東の都という意味を伴う例外
Buddha佛陀(Fótuó)仏教用語の音写として定着

多くの場合、意味より音が優先されますが、例外的に意味が付与される場合もあります。


外国地名の音訳の歴史

音訳の歴史は古く、古代シルクロードを通じて多くの地名が漢字に置き換えられました。インドの仏教用語も同様に音訳され、例えば「Buddha」は「佛陀」と表記されました。

表を見れば、この方法が地名や人名に広く使われてきたことがわかります。

原語漢字音訳備考
Buddha佛陀仏教用語として定着
Caesar凯撒(Kǎisā)ローマ皇帝名の音写
Jesus耶稣(Yēsū)キリスト教関連

このように、外国語を自国の文字体系に取り込む方法として音訳は長い伝統を持ちます。


日本語におけるカタカナ表記の特徴

日本語は漢字を使う言語でありながら、外国語の表記にはカタカナを活用します。カタカナは表音文字であり、音を写す役割を果たしています。

英語日本語カタカナ表記特徴
Coffeeコーヒー外来語の定着例
Computerコンピュータ技術用語に多い
Londonロンドン都市名も音写

カタカナは意味を持たせないため、外国語をそのまま音として受け入れやすいのが特徴です。


外国人が理解すべきポイント

外国人が注意すべき点は、伯明翰が意味を持つ翻訳ではなく音訳であることです。

要点を整理すると以下の通りです。

1 伯明翰は中国語での音訳であり、日本語では使われない
2 日本語ではバーミンガムとカタカナで表記する
3 漢字の意味は関係なく音を重視している
4 他の都市名(伦敦、巴黎など)と同じ仕組み
5 言語の違いを理解することで誤解を防げる


まとめ

バーミンガムの日本語表記は「バーミンガム」、中国語では「伯明翰」と音訳されます。漢字には意味があるものの、この場合は音を再現するためだけの表記です。

外国地名の扱い方は言語ごとに異なり、日本語はカタカナ、中国語は漢字という違いがあります。これを理解することで、言語や文化の背景をより深く学ぶことができ、誤解のない国際的なコミュニケーションにも役立ちます。