パリを漢字で「巴里」と書く理由とは?日本人が憧れる芸術とスポーツの都

借用語

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

フランスの首都パリは、漢字で「巴里」と表記される特別な都市です。この表記は音の響きに近い漢字を選んだ当て字であり、文明開化期の日本で広まりました。この記事では「巴里」という表現が生まれた背景と、日本人が抱く芸術・ファッション・スポーツに関するイメージを整理して紹介します。

巴里という表記の由来

当て字としての「巴里」

「巴里」は、外国の地名を漢字に置き換える当て字の一例です。中国を経由して日本に伝わり、音の響きに近い漢字が選ばれました。

  • パリ → 巴(パ)+里(リ)
    この表記は知識人にとって読みやすく、新聞や書籍で権威ある表現として広まりました。

他都市との比較表

都市名漢字表記読み方
ロンドン倫敦りんとん
ベルリン伯林べりん
ウィーン維納いな
モスクワ莫斯科もすくわ
パリ巴里ぱり

このように多くの都市が当て字で表記されましたが、現代ではカタカナが一般的となっています。


巴里という表記が使われた時代背景

文明開化と翻訳文化

明治期、日本は急速に西洋文化を取り入れるなかで、地名や概念を漢字で翻訳しました。カタカナよりも理解しやすく、知的な印象を与えるため、新聞や学術書で盛んに使われました。

文学と巴里の結びつき表

作家作品巴里の役割
夏目漱石「三四郎」文明開化と学問の象徴
森鴎外「舞姫」恋愛と異文化体験の舞台
芥川龍之介短編随筆芸術の都として描写

文学に登場する巴里は、憧れや浪漫を象徴する存在でした。


日本人が抱くパリのイメージ

芸術とファッションの都

パリは芸術とファッションの中心地として世界に知られ、日本でも憧れの対象となりました。画家や音楽家の留学先として選ばれ、そこから新しい文化が逆輸入されました。

日本人がイメージするパリ表

分野日本人のイメージ実際の特徴
芸術芸術家の集う街ルーブル美術館、オルセー美術館
恋愛ロマンチックな街セーヌ川沿いの散歩道
ファッション世界の流行発信地パリコレクション
生活おしゃれで洗練カフェ文化、街並みの美しさ

このように、巴里は理想化されたイメージと現実が交錯する都市です。


スポーツの舞台としてのパリ

オリンピックと巴里

パリはオリンピックの開催都市としても歴史があります。1900年、1924年、そして2024年に大会を開催しました。これにより、パリは文化だけでなくスポーツの舞台としても注目されました。

サッカーとテニスの魅力

  • サッカー パリ・サンジェルマンは世界的クラブで、日本でもファンが多い
  • テニス 全仏オープンがローランギャロスで毎年開催され、日本選手も活躍

パリのスポーツイベント表

スポーツイベント名特徴
サッカーパリ・サンジェルマン世界的スター選手が所属
テニス全仏オープン赤土のコートが特徴
ラグビー国際試合開催地フランス代表の拠点の一つ
オリンピック夏季五輪1900年、1924年、2024年開催

スポーツを通じてパリを訪れる日本人観光客も増加しています。


まとめ

パリを漢字で「巴里」と書くのは、当て字による音訳の文化に由来します。明治から大正期にかけて多用され、文学や新聞で広く知られるようになりました。現代ではカタカナ表記が主流となったものの、「巴里」という言葉には浪漫と文化的権威を感じさせる響きが今も残っています。

さらに、巴里は芸術とファッションの都であると同時に、スポーツの国際舞台としても存在感を放ちます。オリンピック、サッカー、テニスといった競技を通じて、巴里は多面的な魅力を世界に発信し続けています。