ワンピースの聖地「サンタンジェロ城(イタリア)」インペルダウンのモデルを紐解く

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

大人気漫画ワンピースに登場する巨大監獄インペルダウン。そのモデルの一つとされるのが、ローマにあるサンタンジェロ城です。歴史的に要塞や監獄として利用されたこの建物は、作品のリアリティを支える舞台でもあります。本記事では両者の共通点や背景を詳しく紹介します。

インペルダウンとは

インペルダウンは世界政府直属の大監獄として描かれています。海底深くに築かれた要塞のような建物で、階層が下に進むほど囚人の凶悪度が増していく仕組みになっています。警備は厳重で、看守長や獄卒獣と呼ばれる恐ろしい生物まで動員されており、「絶対に脱出できない監獄」として知られています。

ワンピースのストーリーでは、ルフィが仲間のエースを救うために潜入し、数々の囚人や敵と遭遇します。インペルダウンでの出来事はマリンフォード頂上戦争につながり、物語全体の大きな転換点を生み出しました。このように、単なる舞台ではなく、キャラクターたちの運命を大きく動かす役割を持っているのがインペルダウンです。


サンタンジェロ城の歴史

サンタンジェロ城は、紀元2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスが自らの霊廟として建設しました。その後、戦乱や権力闘争を経て、要塞、監獄、避難所としての役割を担ってきました。中世にはローマ教皇の避難場所としても利用され、都市防衛の重要な拠点となりました。

特に監獄としての歴史はインペルダウンを連想させます。厚い石壁、閉ざされた構造、外部との隔絶は囚人にとって逃走不可能な絶望を意味しました。このような要素が、漫画の舞台設定に反映されていると考えられます。


サンタンジェロ城とインペルダウンの共通点

観点サンタンジェロ城インペルダウン
構造円形の要塞、厚い石壁、迷路のような内部海底に広がる巨大な階層監獄
役割皇帝霊廟、要塞、監獄世界政府直属の大監獄
雰囲気重厚で閉ざされた空間恐怖と絶望が支配する空間
脱出難易度脱出は極めて困難脱獄は不可能とされる

このように、両者は構造的にも機能的にも驚くほど似ていることが分かります。


サンタンジェロ城の構造とインペルダウンの階層の比較

階層・部分サンタンジェロ城インペルダウン
上層皇帝の霊廟や豪華な居住空間比較的軽犯罪者が収監される場所
中層軍事施設として使用、武器庫や兵舎拷問や重犯罪者の監禁が行われる階層
下層監獄や牢屋、脱出困難な閉鎖空間最凶悪犯が閉じ込められるLEVEL6

この表を見ると、サンタンジェロ城の実際の利用方法がインペルダウンの構造に投影されていることが理解できます。


ローマの権力と世界政府の共通性

観点ローマ帝国・ローマ教皇世界政府
権力の象徴サンタンジェロ城は権威を守る要塞インペルダウンは世界秩序を守る監獄
支配の手段反乱者や敵対者を投獄海賊や反逆者を収監
象徴的意味絶対的な権力を示す存在世界政府の威光を示す存在

この比較からも、権力の象徴としての役割が重なっていることが明らかになります。


聖地巡礼としての魅力

ワンピースファンにとって、サンタンジェロ城は聖地巡礼の対象です。観光客として訪れるだけでなく、作品の舞台を現実に感じ取ることができます。

城内を歩くと、石造りの通路や厚い壁がインペルダウンの雰囲気を思い出させます。さらに、ローマ市街を一望できる景観は、物語のスケール感と重なり、ファンにとって忘れられない体験となるでしょう。


インペルダウンと現実の監獄の比較

観点サンタンジェロ城他の歴史的監獄(例 アルカトラズ島)インペルダウン
立地ローマ市内、戦略的要塞孤島での隔離施設海底深く隔絶された場所
目的防衛と収監重犯罪者の隔離世界最悪の犯罪者の封印
印象歴史と権威を象徴厳格な規律と孤独絶望と恐怖の象徴

この表からも分かるように、インペルダウンはサンタンジェロ城だけでなく、世界各地の監獄の要素を組み合わせた舞台といえます。


まとめ

インペルダウンはフィクションですが、その背景にはサンタンジェロ城をはじめとする実在の建造物や監獄が投影されています。サンタンジェロ城の歴史的役割、構造、雰囲気は物語に深みを与え、ワンピースの世界観をよりリアルに感じさせます。

聖地巡礼としてサンタンジェロ城を訪れることは、単なる観光にとどまらず、作品への理解を深め、ローマの歴史を体感できる貴重な機会です。ワンピースのファンにとって、この場所はまさに現実と物語が交差する特別な聖地といえるでしょう。