国宝「霧島神宮」日本神話と建築美を体感できる神社

国宝

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

鹿児島県霧島市にある霧島神宮は、天孫降臨の伝説を持つ由緒ある神社です。令和4年2月、本殿・幣殿・拝殿が国宝に指定され、日本文化を象徴する建築として世界的に注目されています。本記事では、その歴史や信仰、外国人旅行者にとっての魅力を紹介します。

霧島神宮とは

霧島神宮は、鹿児島県霧島市の高千穂峰のふもとに鎮座しています。御祭神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)で、日本神話の「天孫降臨」の物語に登場する重要な神です。この神話は、日本建国の始まりを象徴するもので、霧島の山々はその舞台とされています。

神宮は火山活動により度々焼失しましたが、そのたびに再建され、現在の社殿は江戸時代に薩摩藩の支援で整えられました。朱色の社殿は緑深い山々と美しいコントラストを描き、訪れる人々に強い印象を残します。


国宝に指定された理由

令和4年2月9日、霧島神宮の本殿・幣殿・拝殿が国宝に指定されました。理由は以下の通りです。

  • 高度な建築技術を示す設計
  • 極彩色の装飾と精緻な彫刻
  • 江戸時代後期の保存状態の良さ

また、同時に「鹿児島神宮」も重要文化財に指定され、南九州の宗教文化が日本全体の歴史における価値として再評価されました。


建築様式の特徴

霧島神宮は権現造りの建築様式を採用し、本殿・幣殿・拝殿が一体的に連結されています。屋根は緩やかな曲線を持ち、檜皮葺が用いられています。彫刻には龍や鳳凰、牡丹が描かれ、華やかさと神聖さを兼ね備えています。

建築部分特徴指定区分
本殿龍や花鳥の彫刻、極彩色の装飾国宝
幣殿神事を執り行う厳粛な空間国宝
拝殿参拝者が祈りを捧げる場国宝
鳥居境内の入り口を象徴する朱色の門未指定
回廊社殿を結ぶ通路、参拝動線未指定

これらの建築物は単独で美しいだけでなく、全体として調和を生み出し、荘厳な空間をつくり出しています。


霧島神宮と日本神話

霧島神宮は日本神話を体感できる神社です。御祭神の瓊瓊杵尊は天照大神の孫で、地上に降臨して稲作を伝えたとされます。

境内には神話ゆかりの場所も多く残っています。特に高千穂峰には、瓊瓊杵尊が降臨した際に突き立てたとされる「天の逆鉾」があり、日本神話の象徴的な存在として観光客から人気を集めています。


季節ごとの魅力

霧島神宮は四季折々に異なる表情を見せ、外国人旅行者にも強い印象を与えます。

季節自然の魅力見どころ
桜が境内を彩り、参道が花のトンネルに花見と参拝の両立
深緑と涼しい空気神秘的な森の散策
紅葉が朱色の社殿と調和写真撮影スポットとして人気
雪化粧した社殿が幻想的静寂の中の参拝体験

季節ごとに異なる景観は、日本文化の四季観を象徴しています。


外国人観光客への魅力

外国人にとって霧島神宮は、単なる観光スポットではなく文化と自然を同時に体験できる場所です。

  • 建築美:極彩色の社殿や精緻な彫刻
  • 自然の調和:四季ごとに異なる景観
  • 精神文化:日本神話の物語と信仰の歴史

これらが融合し、他国では味わえない特別な体験を提供しています。さらに、周辺には温泉地も多く、参拝とあわせて楽しめるのも魅力です。


周辺観光スポットとの連携

霧島神宮は単独で魅力があるだけでなく、周辺の観光地とあわせて訪れることでさらに体験が広がります。

観光地特徴距離
霧島温泉郷多彩な泉質を楽しめる温泉地車で約20分
高千穂峰登山天孫降臨の伝説が残る山車で約30分
鹿児島神宮重要文化財に指定された神社車で約40分
桜島活火山と壮大な景観車+フェリーで約90分

これらを組み合わせれば、歴史・自然・温泉を一度に体験できる充実した旅程が可能です。


地域文化と霧島神宮

霧島神宮は、地域の人々にとっても文化の中心です。年間を通じて祭事が行われ、奉納舞や神楽が披露されます。これらは地域の暮らしと密接に結びつき、観光客に公開されることで「生きた文化体験」として価値を増しています。

また、歴史的には薩摩藩の庇護を受け、藩主が参拝し国の安泰を祈願しました。その伝統は今も受け継がれ、地元の人々にとって誇りであり続けています。


まとめ

霧島神宮は国宝に指定された壮麗な建築物であり、日本神話を体感できる舞台でもあります。四季折々の自然と調和し、歴史・文化・精神性を同時に体験できる点が、外国人旅行者にとって大きな魅力です。

訪れることで、日本文化の核心に触れることができ、地域の伝統や自然とも結びついた深い体験を得られるでしょう。霧島神宮はまさに日本を代表する文化遺産であり、その価値は今後ますます世界に広がっていくに違いありません。